タンザニア医療支援活動 Part 2
AM7:30 事前に頼んでおいたムヒンビリ大学病院のドライバーが現れず。急遽手配したタクシーと横江美貴さん(在タンザニア日本大使館職員、看護師)の車に分乗してムヒンビリ大学病院に向かいました。
午前中はムヒンビリ大学において、眼科医師やレジデントに向けての講義と、寄贈品の贈呈式、手術患者さんの術前診察を行いました。
ムヒンビリ大学病院前にて
講義は、初めに山﨑俊先生が「How to improve phaco surgery(超音波白内障手術が上達するにはどうしたらいいか)」という題で講義されました。
次に、小嶋義久先生は、「Some points of PEA (超音波水晶体乳化吸引術のポイント)」という題で講義をされました。
タンザニアでは眼科医数が不足していますが、ドクターは一応白内障手術を行っています。
しかし、2-3mmの小切開創から行うことができる超音波水晶体乳化吸引術の手術器械はディスポの部品を必要とします。
タンザニアの医療施設ではそれを購入する予算がないため、そのような高価な器械を買う必要のない術式、つまり水晶体嚢外摘出術(約10-11mmの切開創が必要)を主に行っています。
超音波乳化吸引術が少しでも普及してほしいという思いから、山崎先生、小嶋先生は、超音波乳化吸引術の習得の仕方について講義をされました。
最後に浅見が、「The importance of disinfection in cataract surgery (白内障手術における消毒の重要性)」について講義をさせていただきました。
タンザニアでは、ドクターを含め医療スタッフは、手術時に無菌状態を保つための清潔操作の重要性に対する教育、認識が行き届いていません。また、前述したように大きな切開創を必要とする水晶体嚢外摘出術は、眼表面の常在菌が眼内に入って起こる術後眼内炎を発症する頻度が高くなります。そのため、術前の消毒の重要性とその方法についての講義を行いました。
講義後には現地医師や研修医から、眼内炎や抗生剤の使用方法などの質問が来ました。上記の理由により眼内炎の発症頻度が高いことと、いったん発症してしまうと、その治療に必要な硝子体手術をする器械がないために失明する頻度が高いことから、眼内炎に対する関心が高かったようです。
カメラに背を向けて、座って 講義しているのが浅見です。
浅見の講義風景
講義の後で記念撮影
真ん中:山﨑俊先生 右:小嶋義久先生
左:浅見
ムヒンビリ大学の眼科は、小児科と併設されていることもあり、外来棟の壁のあちらこちらには、タンザニアのアートであるティンガティンガが描かれていました。
余談ですが、ダルエスサラーム市内の路上では実に様々なものが売られています。
ティッシュや、アイスクリーム、自転車のタイヤにバッテリー、風船に懐中電灯、体のパーツの呼び方ポスターに世界地図などなどです。
「暑い夏にアイスクリーム、パンク時の交換用タイヤ、停電が多い都市に懐中電灯」は分かるのですが、路上で世界地図は誰が買うのだろう、と正直なところ疑問に思いましたが、地図を買ったりする人もちゃんといるという、現地在住の横江さんの言葉にそういうものかな、と納得しました。