海外ボランティア活動の夢

日本では白内障で見えなくなっても先進の医療技術や国民皆保険制度があるため、誰でも手術を受けることができ失明することはありません。しかし、発展途上国の中には白内障で失明状態になっても医療体制が整っていないため、見えないまま放置されている現状があります。

大学を卒業し眼科医になったころから、海外ボランティア活動には関心がありました。しかし、普段の診療業務に忙しく、ボランティア活動に参加する機会がありませんでした。

長年の念願がかない、2018年と2019年に愛知県春日井市の山﨑眼科院長 山﨑俊先生の「日本タンザニア眼科医療支援チーム(TANZANIA EYE SUPPORT)」の活動に参加させていただきました。
タンザニア 支援活動 集合写真

タンザニア眼科医療支援活動

本活動は、山﨑先生を中心に2007年よりアフリカ タンザニア連合共和国のダルエスサラームにある国立ムヒンビリ大学病院で行っている支援活動です。2018年で第14回目でした。

この支援チームは、2009年に発足した「日本眼科国際医療協力会議(JICO)」(http://www.jico-jp.org/)の9つある眼科団体のうちの1つです。

タンザニアの眼科医療の現状

極端に少ない眼科医の数

タンザニアでは、人口5731万人(2017年現在)に対して眼科医がたった3-40人ほどしかいません。日本の眼科医数が13,840人(平成19年度)と比較しても、眼科医が異常なほど少ないことが分かります。

眼科医療は資金不足などから大学病院でも十分な治療が行えない状況です。そのため眼科医療が行きわたらず、手術で治癒しうる疾患である白内障で非常に多くの方が失明しています。地方では、近代医学は信じられていないため今でも呪術師が祈祷を行っているそうです。

近年の近視化の問題

タンザニアでは、有線の回線を必要とする固定電話は普及していなかったため、一足飛びに携帯電話用の基地局が整備され、急速にスマートホンが普及しています。そのスマホの普及による近視化の進行も問題となっています。

タンザニア北部からケニア南部に居住しジャンプダンスで有名なマサイ族は、3.0から8.0の良好な視力でも知られています。しかし、最近ではスマホの位置情報が牧畜に便利だということで、マサイ族の間で急速に普及しており、それによる近視化が進んでいるそうです。タンザニア マサイ

タンザニアについて

タンザニアという国について馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、まずはタンザニアの紹介をします。

タンザニアは、アフリカ東部、赤道の南に位置し、面積は約95万㎢(日本の約2.5倍)、人口は約4500万人(日本の約35%)で、アフリカ最高峰のキリマンジャロ山とその麓で栽培されるコーヒーや、ライオン、象、シマウマ、キリンなどの野生動物が有名です。
タンザニア地図

記憶に新しいところでは、第91回アカデミー賞で主演男優賞をはじめ4部門で受賞に輝いた映画、「ボヘミアン・ラプソディ」のQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーの生誕地、ザンジバル島が一躍脚光を浴びました。下の写真は彼の生家の「マーキュリーハウス」マーキュリーハウス

渡航の準備

予防接種

日本では見られない熱帯特有の感染症があるため、予防接種を受ける必要がありました。狂犬病、腸チフス、4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)。特に狂犬病は発症すると100%の死亡率ということで必須です。

これで準備万端と思っていたら、お隣のコンゴ共和国ではちょうど出発の頃にエボラ出血熱が発生していたため、不安な中での出発となりました。実際には、コンゴ共和国の中でも西にある都市であり、タンザニアの中でも東海岸にあるダルエスサラームからは遠く離れていたため杞憂でした。

マラリア

タンザニアではハマダラカが媒介するマラリア熱も流行しています。各種虫よけスプレーと抗マラリア薬などを購入しました。

タンザニアへ!

眼科手術に必要な大量の機材や医薬品などを携え、羽田空港から飛び立ちました。
カタールのドーハまで12時間、ドーハからタンザニアのダルエスサラームまで6時間のフライトでした。

タンザニア アフリカ大陸

はじめてのアフリカ大陸

タンザニア ダルエスサラーム
タンザニアのダルエスサラームの街並み

タンザニア ダルエスサラーム空港
ダルエスサラーム空港にて
大量の医療機材の荷物とともに