緑内障

線維柱帯切開手術

緑内障という病気について

緑内障とは、視覚の情報を脳に伝える働きをしている視神経が徐々に傷んで、視野が狭くなる病気です。

緑内障という病気について

神経線維が傷む原因について

眼球の形を保つために眼の中は房水(ぼうすい)という水で満たされています。その房水が眼の壁に与える圧力を眼圧と呼びます。

神経線維が傷む原因

眼の中の房水の量が増えると、眼圧が高くなります。眼圧が高い状態が続くと、網膜の神経線維、視神経が徐々に傷んできます。

眼圧が高くなる原因

房水は虹彩の裏にある毛様体で作られ、眼の中を循環した後、シュレム管という排水管の役割をしているところから眼の外に排水されます。

眼圧が高くなる原因

そのシュレム管に出ていく出口に当たるところに線維柱帯という網目状のフィルターのような役割をしている組織があります。その線維柱帯が何らかの原因で目詰まりを起こすと、排水が悪くなり眼内の水の量が増えて眼圧が高くなります。

緑内障の治療

緑内障の治療は眼圧を下げることが重要です。緑内障と診断されたら、まずは目ぐすりを使って眼圧を下げます。目ぐすりは、眼圧の下がり具合をみながら増やしていきますが、十分に眼圧が下がらず視野の進行が止まらない場合には手術が必要です。

手術の方法について

目詰まりを起こしている線維柱帯を切開することにより、房水の排水を良くして眼圧を下げます。
黒目(角膜)と白目の境目に、金属の棒のような器具を入れ、線維柱帯に約180度(半周)切り込みを入れます。

手術の方法

また、すでに白内障がある方は白内障手術を併用することが多く、眼内レンズを入れます。最後に傷口を細い糸で縫合します。糸は1週間後に抜糸します。

術後早期の見え方について

線維柱帯を切開したところから、必ずと言っていいほど出血します。その出血が眼の中にたまり術後1週間くらいかすんで見えます。徐々に出血は吸収されて、かすみが取れて見やすくなります。しかし、場合によっては出血の量が多くなることがあり、術後に眼の中を洗う処置が必要になることがあります。

術後の眼圧の経過について

術後に眼圧がすぐにストンと下がることもありますが、術後2-3週間は眼圧が上がったり下がったりを繰り返しながら徐々に下がっていくことが多いです。

術後に眼圧が下がらない場合もあります

今回の手術で眼圧が十分に下がらない可能性があります。眼圧が高かった原因が、線維柱帯ではなく、それ以外の房水の排水経路に問題がある場合には眼圧が下がりません。

眼圧が下がらない場合の治療方法について

眼圧が十分に下がらなければ、次の段階の手術が必要になります。
房水を排水するための別の通り道(バイパス)を作ります。流し出した房水を白眼の結膜の下に溜める手術、線維柱帯切除術(ろ過手術)を行う必要があります。