第72回日本臨床眼科学会
平成30年(2018年)10月12日 東京国際フォーラムにて開催された第72回日本臨床眼科学会において、「Ophthalmic surgeryフィルムアワード」 Technique and complication management部門においてゴールドアワードを受賞しました。
このフィルムアワードは、眼科手術の新しいアイデア、技術などに関して作成したビデオ映像を学会で評価、表彰する日本で唯一の催しです。日本全国の眼科医がそれぞれ考案したアイデアを、約7分間の動画にして応募します。
多数の応募作品の中から、ニューコンセプト部門、テクニック/コンプリケーションマネージメント部門、educational部門の3部門でそれぞれゴールドアワード、シルバーアワードが授与されます。
私のビデオは、2018年7月にタイで開催された第31回Asia Pacific Association of Cataract & Refractive Surgeons(アジア太平洋白内障屈折手術学会)のfilm festivalに応募した作品と同じ内容のものを日本版にアレンジしました。
角膜内皮移植では、角膜内皮移植片を前房の中に入れて、前房内に空気を注入してその浮力で角膜中央部に押し付けて固定します。患者さんの角膜に直接縫い付けるわけではないため、中央のいい位置に固定するのに手間がかかる場合があります。そのため、新しい術式を考案しました。
どこの手術室にもあるような糸と針を使い、誰でもが簡単に中心位置に固定できる方法です。この術式をまとめて紹介したのが、このビデオです。
今後、この新しい術式が普及することで手術が容易になることを期待したいと思います。
ご興味のある方は、以下のリンクからビデオをご覧いただけます。実際の手術映像が出ますので、苦手な方は視聴をお控えください。
第72回日本臨床眼科学会 Technique and complication management部門 ゴールドアワード受賞動画
第31回アジア太平洋白内障手術学会(APACRS)2018
平成30年(2018年)7月19日~21日にタイのChiang Mai(チェンマイ)にて開催された第31回Asia Pacific Association of Cataract & Refractive Surgeons (アジア太平洋白内障屈折手術学会)のfilm festivalのRefractive / Cornea(屈折/角膜)部門で第2位を受賞しました。
フィルムフェスティバルとは、眼科手術に関する新しいアイデア、新しい術式などを8分ほどのフィルム(動画)にまとめて応募すると、優秀な作品に対して賞が授与される、というものです。日本をはじめ、中国、韓国、インド、ブラジル、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国の眼科医が応募した約80の作品の中から、9つの賞が授与されました。
私のビデオは、角膜内皮移植手術をやりやすくするコツについてまとめたものです。
角膜内皮移植の際に患者さんの前房内に角膜内皮移植片を入れて、中心位置に固定するのですが、患者さんの角膜に直接縫い付けるわけではないため、中心に固定するのに手間がかかる場合があります。そのため、新しい術式を考案しました。
どこの手術室にもあるような糸と針を使い、誰でもが簡単に中心位置に固定できる方法です。この術式をまとめて紹介したのが、このビデオです。
今後、この新しい術式が普及することで手術が容易になることを期待したいと思います。
ご興味のある方は、以下のリンクからビデオをご覧いただけます。実際の手術の映像が出てきますので、苦手な方は視聴をご遠慮ください。
第31回アジア太平洋白内障手術学会(APACRS)2018 film festival Refractive / Cornea(屈折/角膜)部門2位受賞動画
ヨーロッパ白内障屈折矯正学会2017
第35回ESCRSが2017年10月にポルトガルのリスボンで開催されました。VIDEO AWARDSというのは、手術に関する新しい術式や考え方などを8分程度のビデオにまとめて応募し、審査員の厳しい審査により価値のあるビデオであると認められると賞が授与されるというものです。
私のビデオの題名は“A rescue technique for a luxated IOL(眼内レンズ脱臼に対するレスキューテクニック)”です。
最近では、過去に白内障手術をした人で、何らかの原因で眼内レンズの固定組織であるチン氏帯が弱くなり、眼内レンズの偏位、眼底への落下を起こしてしまう方が多くなっているのですが、そのような眼に対して、通常は大きめの切開創を作成していったん眼内レンズを眼球外に取り出して、新しい眼内レンズを強膜内に固定するといった術式がスタンダードとなっています。
今回発表したビデオにおいて、落下した眼内レンズを眼内でそのまま縫着・固定するという術式を紹介しました。これにより、眼内レンズ摘出のための大きな創を作成する必要がなくなるというメリットがあります。
受賞作品のビデオに興味のある方は、以下のリンクからご視聴ください。実際の手術映像が含まれますので、苦手な方はご視聴をご遠慮ください。
ヨーロッパ白内障屈折矯正学会2017 ビデオアワード Educational部門 2nd prize受賞動画
アメリカ網膜硝子体学会2016
2016年にAmerican Society Retina Specialistというアメリカの網膜硝子体学会において、film festivalという部門に7分くらいのビデオを応募し、審査の結果、Rhett Beckler award を受賞しました。
題名は、「Endovascular Catheter for removing clots in BRVO」で、新規に開発した器具を紹介したビデオです。
BRVOとは、Branch Retinal Vein Occlusion(網膜静脈分枝閉塞症)の略であり、網膜静脈血管内に血栓が形成され、網膜循環障害、網膜出血、黄斑浮腫、硝子体出血などを起こし、視力が低下する疾患です。
現在、その治療法としては、VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤やトリアムシノロン(ステロイド懸濁液)の硝子体注射や、硝子体手術による網膜動静脈交叉部血管鞘切開(シーソトミー)や網膜静脈内t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子:血栓溶解剤)などの治療が行われております。
しかし、血管内に形成された血栓による詰まりを手術で直接取り除く治療法はありませんでした。この器具は先端に取り付けられた極細の針を網膜血管に刺し、その針の中から極細のワイヤーを血管内に伸ばし血栓を押し出す、というものです。
実用化にはもう少し時間がかかりますが、将来的に新しい治療法になることを期待しています。
ちなみに、この器具に関しては、特許を取得しました。(特許第6647891号 網膜血管血栓除去用器具)
受賞作品の動画に興味のある方は、以下のリンクをクリックしてご視聴ください。
アメリカ網膜硝子体学会2016 Rhett Beckler awardを受賞動画
2012年 日本眼科手術学会総会
第35回日本眼科手術学会総会が2012年1月に名古屋国際会議場で開催されました。Ophthalmic Surgery Film Awardというのは、眼科手術の新しい考え方やテクニックについて約7分の動画にまとめて応募し、優秀な作品に賞が授与されるというものです。
教育部門と、新しいコンセプトの部門、テクニック/合併症処理の部門の3つの部門に分かれており、私の出品作品は教育部門においてSilver Awardを受賞しました。
私のビデオの題名は「内境界膜剥離術」です。
内境界膜というのは黄斑部網膜の表面をおおう厚さ約10-20ミクロンの透明なセロハン状の膜のことです。黄斑円孔や黄斑上膜、糖尿病黄斑浮腫などの網膜疾患の治療において必須の手技です。しかし、この手技は非常に繊細な操作が必要なため、若手の術者がその手技を習得するには、根気と練習、コツが必要です。
この作品は、内境界膜剥離術をこれから習得する若い先生方に、分かりやすく作ったビデオです。
受賞作品にご興味のある方は以下のリンクからご視聴ください。ビデオには実際の手術映像を含みますので、苦手な方は視聴をご遠慮ください。
2012年 日本眼科手術学会総会 Ophthalmic Surgery Film Award 教育部門 Silver Award受賞動画
第3回ophthalmic surgery film award 2008
私が豊橋市民病院勤務していた時に、第3回ophthalmic surgery film award 2008に応募した作品が教育部門のGold awardを受賞しました。
受賞タイトルは、「豚眼による白内障手術教育」です。
新人の眼科医に白内障手術を教える時には、豚の眼を用いて練習をします。これから白内障手術を学ぼうとする新人眼科医にとって参考にできるビデオ教材が少なかったため、手術教育ビデオを作り、学会に応募しました。
すべての手術操作の基本として重要である創を支点とした眼球に負担のかからない器具の動かし方を中心に、両手の動きのバランス、フットスイッチ操作との連携などの練習に焦点を絞って解説しました。
ご興味のある方は以下のリンクよりご視聴ください。なお、豚の眼を使った映像を含みますので、苦手な方は視聴をご遠慮ください。